平成25年6月24日~6月30日 活動場所:岩手県上閉伊郡大槌町 【堂北 幸恵】


ボランティア内容

1日目
AM:移動
PM:ベース横でハンギングバスケット講習会
    オリエンテーション

2日目
AM:花いっぱいプロジェクト 花苗の受け入れ
PM:ベースの掃除・フリー

3日目
AM:花いっぱいプロジェクト ローソン前の花壇の整備・花植え
PM:視察(吉里吉里の仮設の談話室で地元の方とおしゃべり 20分程度)

4日目
AM:クッキーの袋詰め(保育園でのポニーのふれあい体験のプレゼントとして)
PM:ベースで映画鑑賞(中止)→ 仮設にてミニライブ

5日目
AM:保育園でのポニーのふれあい体験(雨の為中止)→ベース掃除
PM:仮設にちらし配り(仮設の集会場で支援員さんとおしゃべり)

6日目
休み 12:30~13:30 震災前・震災当時のビデオ上映
   19:30~20:30 伝統芸能 虎舞いの練習を見学

7日目
AM:花いっぱいプロジェクト参加 役場前代官所跡 草刈り
PM:移動

(感想)
 今回初めて岩手県上閉伊郡大槌町のカリタスジャパン大槌ベースにボランティアとして参加させていただきました。バス移動中には大槌町に近づくにつれてあたり一面殺風景で、そこに町があったとは思えないほどでした。
また、何もないかと思えばがれきの山があったり、家の基礎の解体の重機の音がしたりと震災から2年が経ち、3年目でもここまでしか進んでいないのかと感じました。

大槌ベースに到着するとベース横で地元の方がハンギングバスケットの講習を受けておられ、講師の先生の話を一生懸命聞き、活動的に動いておられた。参加者の中には、震災前には自宅で花植えをしていたが、仮設では必要な道具を買いに行くことが大変な為、花に触れる機会が遠のいており、必要なものが一式準備されているので嬉しいとのことであった。
2日目・3日目・7日目には、花いっぱいプロジェクトに参加させていただきました。
このプロジェクトを進めておられる方々は、大槌町のこの殺風景な姿を見ると震災当時を思い出してつらい地元の方もおられるので花を植えることで心の安らぎになれば嬉しいとおっしゃっていた。また、大槌町に入ってすぐの玄関とも言える場所に花を植えることによって大槌町に来る人にとっての印象もかわるだろうとのことであった。震災後2年が経っている今だからこそ花の必要性を感じました。
 3日目の活動の参加者の中には、大槌町に住んでいて現在は仮設に住んでいる方が5名来られた。休憩時間にその中の一人の男性と話をする機会があった。「どこから来たの?」と他愛もない会話の中から自然に震災当時の話をされた。大阪の消防団員が来てくれた時にはとても心強かったことや、3.11の日に孫が生まれたこと等、色々な話を聞かせていただいた。最後には「また」と握手をしてくださりました。
 7日目には、役場の方も参加されており、その方は、役職の募集で県外から大槌町に来られて働いておられるとのことであった。「また、来たときには大槌を案内するからね」「また来てね」と何度もおっしゃってくださいました。
 3日目の視察では、震災時に逃げた高台や駅があった場所、以前の役場、蓬莱島が見える沿岸等を見させていただきました。橋が地震によってずれているところを自動車が通っていたり、砂浜はきれいにされているが堤防が津波にさらわれたままであったりと当時の恐ろしさを実感するものがまだ残されていました。ボランティアに来ている私にとっては震災の傷跡等、実際に見ることで当時を知ることができる大切な体験であるが、震災に合われた方にとっては当時を思い出す物となっていそうで複雑な気持ちになりました。
 ビデオの上映では、大槌町の震災前・震災後の同じ道の映像を見ました。ボランティア出発前に見ており、その時も心を締め付けられるような思いになりましたが、実際に1週間程そこで生活をし、見慣れた景色が以前はこんなにも賑わい、住宅がたくさん並んでいたことを知ると津波の恐ろしさを痛感しました。
遠く離れた場所で映像を見るだけでは非現実的であり、どこか遠くに感じることが、現地に行くからこそ自分に出来ることの少なさや津波の被害の残酷さ、また地域の人の活気や再建の意気込みなどを感じました。

震災当時ならば人手が必要であり山のようにボランティア活動があったのだろうと感じます。現状では、お茶っこサロンや会話の機会を提供しても、働きに出ている家庭が多いので参加人数も少なく、ベースも仮設から離れているために立ち寄る方もほとんどおられないように感じました。スタッフの方はニーズが変化しており、試行錯誤をしているところであるとのことでした。花いっぱいプロジェクトのように地域の方発信でボランティアが参加していくのが地域再建にとって必要なのだと感じます。
また、現地で活動している方のお話を聞くと人と人とのつながりが人のやる気であったり、活動の力になることを知りました。人との出会いを大切に現地でがんばっている方を応援したいと思います。

ボランティアが終了し、日常生活に戻り、数日が経つと現地で出会った方よりお手紙が届いていました。
その方は子ども教室でペーパークラフトを教えている方で、震災に合い、「これは長くかかるから急いで生きることないな」と感じ、震災2か月目から3.11を忘れないということで11カードを手紙に入れて被災地からの情報発信をしているそうです。最後には「また」という言葉が添えられていました。
1週間のボランティアというものは行く前にはとても長く感じました。しかし、実際に行ってみるとあっという間の1週間で、自分には何ができたのかと後悔ばかりが残りました。いろいろな方に「また」という言葉をいただく度に、現地に行き活動してよかったという気持ちをいただきました。
また、ボランティアに行くということで、「頑張ろう」という気持ちと「私に何ができるだろう」と焦る気持ちで向かいましたが、この方の「長くかかるな」という言葉に私自身が救われました。自分にとっては、日常生活から抜け出した短い時間だからこそ何かしないといけないと感じる1週間であったが、現地の人にとっては着実に進んでいく長い目で見た復興なのだと思います。自分もこの先、足を運び、少しずつその時の活動に参加し、その活動がのちの復興へとつながればいいなと感じます。
1週間という長い期間、現場を離れボランティアに機会を与えてくださったエルロイの職員の方々に感謝をいたします。
そして、他の職員の方にもぜひ現地に足を運び現状を知ってほしいと願います。